死ぬまでに一度は見たいと思っていたオーロラを観る為に、9月下旬にイエローナイフに行き、オーロラビレッジ主催のオーロラ鑑賞ツアーに参加してきました。
オーロラ鑑賞をするにあたり事前にインターネットで色々と情報収集を試みましたが、実際に自分自身で経験をすることにより気づいたことや学んだことも色々とあったので、備忘録、および今後オーロラ鑑賞を検討している人の参考の為、私がオーロラ鑑賞前に調べた内容について体験談を交えつつ以下にまとめます。
幸い私の場合、天気予報が連日曇りor雨だったにも関わらず、一瞬の晴れ間からオーロラを観ることができましたが、もし曇りで全くオーロラが見えない!という人はこちらもご参考にして下さい。
オーロラが見えなかった時にこそすべき、有意義な時間の使い方を紹介します。
オーロラを目的にイエローナイフに来た多くの旅行者は日中の過ごし方に迷っていると思いますので、日中に行くべきポイントを紹介します。
鑑賞時期(気象条件、季節の影響)
私は9月下旬にオーロラを観ました。
テレビで観るオーロラの映像がよく極寒の中で撮影されたものということもあり、オーロラは冬しか見られないと思っている人が多い(実際、私もそうでした)ですが、実はオーロラは一年中発生しています。
オーロラ鑑賞の時期として重要なのは、天候と日照時間です。気温は関係ありません。
オーロラは雲の上で発生し、当然曇っている日はオーロラ鑑賞に適しませんので、天候が不安定な時期は避けた方がよいです。
また、オーロラは空が明るい日中には見ることができないので、日照時間の短い季節の方が、オーロラを見るチャンスが必然的に多くなります。
イエローナイフでのオーロラ鑑賞時期として、10月は雲が出やすい為にちょっとイマイチで、8月中旬~9月下旬、または11月中旬~4月上旬が良いとのことだったので、今回私がオーロラ鑑賞した9月下旬はギリギリでそんなに悪い時期ではありませんでした。
ちなみに、各シーズンのオーロラの特徴として、夏場は湖面が凍結していない為に、湖面に映るオーロラという幻想的な景色を見るチャンスがあり、冬場には雪がオーロラの光を反射する様子を見るチャンスがあるようなので、夏場と冬場では違ったオーロラの楽しみ方があるようです。
ただ、個人的にはカメラの結露の心配がなく、防寒対策もそんなに必要がない夏場に行って良かったです。
天気予報
今回のオーロラ鑑賞で、天気予報が悪いからといって悲観することはないということを学びました。
下の写真は私がオーロラ鑑賞した当日(火曜日)にみた週間天気予報です。
私には火曜日と水曜日の2日間しかチャンスがなかったのですが、なんと予報では火曜日が「雨」で水曜日は「曇り」となっており、これを見た時には絶望的な気分になりました。
そしてテンション低めで、いざオーロラ鑑賞に向けて出発。やはり残念なことに、火曜日の初日はずっと曇りで、星や月すら見ることができませんでした(上の写真)。
2日目もずっと曇り(上の写真)。
しかしツアーガイド曰く、イエローナイフは高い山がなく雲の流れが速いので、ふとした瞬間に雲が晴れてオーロラが見えることがあるとのことだったので、ただひたすら雲が晴れるのを信じてオーロラを待ちました。
そして、なんと、ついにオーロラが!
ガイドの方が言っていたように、突然雲がいなくなったと思ったらオーロラが出現しました。
この日は20時から深夜2時までずっと曇りで、その上この日がイエローナイフ最終日だったので、オーロラを見られて本当に良かったです。
どんなに天気予報が悪く、雲が多い夜だったとしても、最後の最後まで諦めなければオーロラは見えるかもしれないので、今後オーロラを見る際には天気予報をあまり気にしないようにしようと思います。
月齢(月の光がオーロラ鑑賞、オーロラ撮影に与える影響)
オーロラ鑑賞をする際、月が出ていると空が明るくなる為に、淡いオーロラの光が見えづらくなるといわれています。
しかし、私がオーロラ鑑賞した日は満月でしたが、幸いにも肉眼でもはっきりとオーロラを見ることが出来ました。
満月の日の見え方をレベルごとにまとめるとこんな感じです(個人的な見解です)。
オーロラレベル | 見え方 | 例 |
---|---|---|
レベル1 | 肉眼では殆ど認識できず。写真を撮ると、淡く緑色に光っている。 | |
レベル2 | うっすらと白い雲のように見える。写真でははっきりとした緑色。 | |
レベル3 | 若干ゆらゆらと動いているので、雲との違いは明確に判別できるが、色は殆ど認識できない。写真上では立派な緑色のオーロラになる。 | |
レベル4 | 規模が大きく、淡く緑色のオーロラがゆらゆらと動いている。かなり写真映えする!(今回はここまで見られた) | |
レベル5 | 今回は見られなかったが、満月でも肉眼ではっきりと活発で緑色のオーロラが見られるらしい。 | 写真なし |
ちなみに、月の出ている方向は周囲よりも特に明るかったですが、それでもレベル2ぐらいのオーロラなら目視で確認できましたし、かなり淡い緑色ですが写真でも捉えることができました。
また、月明りのおかげで、人物+オーロラという記念撮影を素人レベルでも上手く撮ることができました。これは満月の日にオーロラ鑑賞をする際の最大のメリットかもしれないです。
もしかしたら新月であれば、全体的にもう少し綺麗にオーロラが見えるのかもしれませんが、個人的には良い写真をたくさん撮ることできたので大満足でした!
カメラの設定
私が今回撮影に使用した機材はニコンのD750。
レンズはニコン純正のAF-S Nikko 24-120mm F4G ED VR。
基本的に、写真は下記設定でオーロラを撮影しました。
シャッター速度 | 1秒 |
しぼり(F値) | 4.0 |
ISO感度 | 6400 |
ISO感度を上げ過ぎるとノイズが多くなってしまう為、ISO感度は低めに設定したい一方で、シャッター速度を遅くしてしまうと、(風が強かったので)地上の風景がぶれたり、揺らめくオーロラを表現する為の連写(タイムラプス撮影)をすることができなくなってしまったりする為、シャッター速度はなるべく速くしたい、という考えから上記の設定としました。
下の動画は作成したタイムラプスの動画の一例。上記の設定で3秒おきに連写し、「Panolapse」というフリーの画像合成ソフトを使用して15コマ/1秒で画像を合成すると結構いい感じの動画に仕上がりました。
服装、持っていくもの
私がオーロラ鑑賞をした9月下旬は最低気温がマイナス1℃~マイナス4℃と、日本の冬ぐらいの気温でした。
ということで、スキー場の気温をイメージしつつ準備をした。その上で実際に持っていってよかったものを以下にリストアップします。
フード付きのジャンパー | 首元のわずかな隙間から冷気が入ってきたり、耳や顔の側面が冷えるのを防ぐことができたりしたのであって非常に助かりました。 |
二重靴下 | 外でじっとしていると、次第に足の指先が冷えてくるので、靴下を二重に履いておいてよかったです。 |
ニット帽 | 冷気で頭と耳が冷えるので必須 |
カイロ | 貼るタイプのカイロを持って来ればよかったとちょっとだけ後悔しました。 |
カメラの予備バッテリー | 寒いとバッテリーの消費が激しく、必死に撮影しているとバッテリーが切れる可能性があるので、あった方が無難 |
ちなみに、オーロラビレッジでは背もたれ付きのキャンプイスが大量に置いてありました。
先住民の住居「ティーピー」で温もりながらオーロラを待つこともできましたが、イスがあったおかげで外でも快適にオーロラを待つことができて良かったです(※実際はもっと暗いですが、ハイスペックなカメラのおかげで明るい写真になっています)。
以上、今後オーロラを観に行こうと考えている人にとって、ご参考になれば幸いです。