日本語の「濃い・薄い」は使えるシーンが多くて便利な表現ですが、英語で表現しようとすると意外と適切な単語が出てこない時があると思います。

本記事では、シチュエーション別に「濃い・薄い」に相当する英語表現について解説します。

味に関する「濃い・薄い」

「濃い」に関連する表現

濃い味を表現する最も一般的な単語は「rich」です。味にコクがある、旨味がある、深みがある、などと感じた時に使える表現です。

This soup has rich taste. (このスープはコクがあります。)
This apple juice tastes very rich. (このリンゴジュースはとても濃厚です。)

ただ濃いだけでなく、こってりとした濃厚豚骨ラーメンや、飲むのが大変なスムージーの「ドロドロ感」を表現する際には「thick」と使うとよいでしょう。

Tenkaippin is famous for thick tonkotsu soup.(天下一品は濃厚豚骨スープで有名です。)
I eat thick smoothie every day. (毎日ドロドロスムージーを食べます。)

また、お酒やコーヒー、緑茶などが濃いと感じる時には「strong」がよく使われます。

アルコールやカフェインなどの量が多すぎて、その主張が強くなりすぎちゃっているイメージです。調味料が多すぎて香りがガツンとくる料理に対しても使えます。

This highball is a little bit strong.(このハイボールはちょっと濃いです。)
This food has strong cilantro’s flavor(この料理は強いパクチーの香りがします。)

料理が濃いというより脂っこい場合には「greasy」や「oily」を使うとよいでしょう。一晩経ったフライドポテトや天ぷらはまさにOilyな料理だと思います。

French fries always get oily the next day.(フライドポテトはいつも翌日には脂っこくなります。)

また、濃い味と関連して、「heavy」という表現もあります。

これは、お腹に溜まる感じ、胃がもたれる感じの料理を説明する際によく使われます。ステーキや唐揚げ定食はheavyな料理の好例といえるでしょう。

I want to eat something heavy.(何かガッツリした感じのものを食べたいです。)

「薄い」に関連する表現

薄い味を説明する英語表現もたくさんあります。薄い味やあっさりした味わい、胃に優しい感じ、飲み口が軽やかな様子を表現する際には「light」を使うと良いでしょう。

I like ramen with light soy source soup.(私はあっさり醤油のラーメンが好きだ。)
This grilled fish tastes light. (この焼き魚は薄味です。)

weak」は、淡白な味わいや、パンチが足りない、調味料が足りていない感じを表す際に使えます。lightよりもネガティブな意味合いが強くなります。

This fish tastes weak. I need some more salt.(この魚はちょっと味気ないです。塩がちょっと必要です。)

味付けが殆どされていない質素な味わいを表現する際にはplainを使うこともできます。

白米や食パンなど、素材の味がそのまま感じられるイメージです。

I like plain white rice.(私は味付けしていない白米が好きです。)

味や風味が全く感じられないほど薄い場合には「bland」を使います。調味料を入れ忘れんじゃないかと疑いたくなる時はまさにblandが使えます。

This soup tastes bland. They must have forgotten to add salt!(このスープには味がないです。塩を入れ忘れたに違いない!)

また、薄いと関連して「hint of ~」という表現もあります。

美食家がコメントで使っている印象がありますが、ほんのかすかに味や香りを感じた時に使える表現です。

I feel hint of almond.(アーモンドをかすかに感じます。)
I feel hint of sweetness.(甘みをほんのりと感じます。)

色に関する「濃い・薄い」

色の濃さの基本表現は「light」と「dark」です。

明るくて薄い緑色はlight greenといい、暗くて濃い緑色はdark greenです。

ただし、「もっと明るい色にして!」という時には「bright」の方がよく使われます。

Could you make that red brighter?(その赤、もっと明るくならない?)

一方、全体的に色が薄くて淡い感じを表現する際には「pale」または「weak」が使えます。反対に、色鮮やかで濃い色を表現する際には「vivid」や「strong」を使うと良いでしょう。

物質の密集度に関する「濃い・薄い」

物質が濃集して濃くなっている場合には「dense」を使います。

Dense fog: 濃い霧、dense population: 密集した人口、dense forests:深く密集した森

逆に物質があまり集まっていない場合には「thin」を使います。

Air on the Mt. Fuji is thin.(富士山の上の空気は薄い。)
thin hair: 薄くなった髪

内容に関する「濃い・薄い」

「内容が濃い」という英単語はありませんが、代わりに「deep」や「fulfilling」、「productive」などの単語を使うと内容の濃さを表現できます。

The seminar was fulfilling. (セミナーは充実していました。)
We had a deep discussion.(深い議論ができました。)
It was a productive meeting.(それはとても生産的な会議でした。)

逆に内容が薄い場合には、「boring」や「not much」などを使うことができます。

There is not much in my CV. (履歴書の中身が薄いです。)
His talk was boring.(彼の話はつまらなかったです。)