①同じように英語で映画を観てるのに、妻と私では学習効果が全く違った
②英語の発音が下手な人は映画・ドラマで勉強しない方が良い
③英語の音を理解している&効率よりも楽しさ重視ならば映画・ドラマでの勉強はアリ
様々な英語学習者のブログを読んでいると、ドラマや映画で英語を勉強しているという人が結構いたので、私も2018年の一時期、ドラマや映画を中心とした英語学習をしていました。
しかし2カ月程度続けた結果、この勉強法が私に合っていないと気付いたのでやめました。
その一方で、この学習方法がどのようなタイプの人に向いているかに気づくことも出来ました。
ドラマ・映画での英語学習に関し、以下に私の経験談と考察結果を書き綴ります。
私が教材として使用したドラマ
私が英語学習に使用したドラマはアメリカで大ヒットしたドラマ「FRIENDS(フレンズ)」です。
私がフレンズを勉強していた当時は動画配信サイト「Hulu」で視聴可能でした。
このドラマはニューヨークに住む男女6人の若者の日常を切り取ったような内容ですので、日常生活で使える英語を学ぶ上で最良のドラマだと思います。
しかも1話20分程度、1シーズン24話、シーズン10まである長寿番組ですので、コンテンツ量も膨大です。
このドラマはその人気のおかげで、様々なウェブサイトでTranscriptionや日本語訳が利用できるので、他のドラマよりも勉強しやすいと思います。
私のフレンズ勉強法。試行錯誤の末に
私が最初にトライした勉強方法は字幕なしでひたすら観るというものでした。繰り返し観ているうちに次第に理解できるようになるだろうと考えていましたが、蓋を開けてみれば理解できないものは何度聞いても理解できず、やがてこの方法では効果がないと悟りました。
次にリスニングの補助として英語字幕付きで動画を見ることを試しましたが、これもイマイチでした。多少分からない単語があっても概要は理解できるので、決して動画は止めず最後まで視聴しました。そして内容を大体理解した後に字幕を消して再度観てみると、結局何を言っているのか全然聞き取れていないことに気づかされました。
そこで今度は分からない単語やフレーズがあればその都度一時停止して調べるという方法を試しました。一言一句何を言っているのか、文の構造も含め理解すれば、聞き取れると考えたからです。1話20分ですので、1話丸々理解しようとすると1時間以上かかり中々骨が折れるのですが、この作業のおかげで話しの内容は完全に理解できました。しかし、それでもやはり聞き取れないものは聞き取れませんでした。
自分のリスニング力に絶望しつつも、「英語は積み重ねが大事!」と信じ、腐らず根気よく勉強しようと決意し、今度は聞き取れなかった部分についてはその部分だけを何度も繰り返し聞きました。時にはiPhoneのボイスメモ機能を使って録音し、1秒にも満たない1フレーズを何度も繰り返し再生し、聞き取れるようになるまでリスニングしました。
正直、この作業は結構効果がありました。
この作業のおかげで、殆ど発音されない小さな音(リダクション)や、単語と単語がつながってしまうこと(リエゾン)が原因で私には別の単語に聞こえていたことがよく分かり、また、実際に自分が役者と同じようにセリフを話せるようになるまでシャドーイングしたことで、練習した部分については完全に聞き取れるようになりました。
ただし、この作業を丁寧にやると1話をマスターするのに一週間くらい(10時間以上)かかり、かなり根気がいるのでしんどかったです。
その為、私の英語力でこの作業をするには効率が悪いと感じたので、結局ドラマや映画を視聴する学習方法は諦めることにしました。
発音の上手さとリスニング力は関係あるのか
私がこの学習方法を諦めた一方で、実は妻にとってはそこまで悪くなかったようです。
私が音を聞こうと悪戦苦闘している内に、妻はいつのまにか部分的には上手にシャドーイングや暗唱をできるようになっていました。吸収スピードが全く違いました。
この学習成果の違いは何なのか?
冷静に分析してみると私と妻では英語の得意分野が全然違いました。
私の方が覚えている単語量も文法の知識も圧倒的に妻より多く、妻は「関係代名詞」、「現在完了」といった文法をよく知りません(ちなみにTOEICスコアは私が950点で妻は805点です)。
しかし妻は発音が私よりも圧倒的に良く、私に認識できない音を認識していることが判明しました。
妻は本腰を入れて英語を勉強したことはないのですが、その代わり幼い頃に“歌詞を一度も見ず”に洋楽を耳コピで歌っていたらしいので、そのおかげで英語の音の分解能と発音が私より発達したと考えられます。
この経験を踏まえてリスニング力の向上のさせ方について色々と調べてみると、「人は自身が発音できない音を認識できない」という意見を何度か目にしましたが、私もまさにその通りだと考えています。
実は私はリスニング力を向上させるために2019年の年末頃から発音トレーニングやシャドーイングに取り組んでいるのですが、最近ちょっとだけリスニング力が向上したような気がします。2020年3月時点ではフレンズを配信している動画配信サービスがないので、Netflix(ネットフリックス)で映画を観ているのですが、以前よりも初見・字幕なしでの理解度が高くなったと思います。
どんな人がドラマ・映画での英語学習に向いている?
上記経験に基づけば、発音が上手く、音の理解力が高い人ほどドラマ・映画での英語学習に向いていると思われます。
しかし、当然最低限のボキャブラリーは必要です。極端な話、単語も文法も何も知らなければ音を認識できても、会話の内容は全く分かりません。
つまり、ドラマ・映画での英語学習に向いている人というのは、最低限の文法の基礎を身に着け、日常生活における超頻出単語を身に着けた、耳の良い人といえます。
ただし、一つ条件をつけ加えると、ドラマ・映画をテレビで観る場合は巻き戻しがしづらかったり、不毛なシーンがあったりするので、学習効率重視の人には向かないと思われます。
まとめ
以上に述べたように、ドラマや映画で英語を勉強する為には、まず発音を改善し、自身で英語の音を認識できるようになることが重要と思われます。
私はまだまだ発音トレーニングをしている段階ですが、やがて英語の音を認識できるぐらいの英語脳が出来上がってきた頃に再びドラマでの英語学習にチャレンジしたいと思います。
なお、「発音練習はスピーキングとリスニングの基礎」の記事にもありますが、英語の発音を学ぶためにはフォニックスが重要ですので、発音を改善したい方は是非こちらもご覧ください。