・毎日シャドーイングを続ければ3カ月で効果を実感可能
・少なくとも毎回10回は繰り返しシャドーイングすると良い
・教材は1分~3分未満の長さの音源が望ましい
・ニュースはシャドーイングに向かない
・YouTubeにも良い教材はある
英語上級者の多くがシャドーイングを薦めていることを知り、2019年末頃に私もシャドーイングを開始しました。
最初はやり方が分からず、教材に悩み、試行錯誤を繰り返していましたが、気づけば半年が経ち、今となっては自身のシャドーイング実践方法は大分確立され、リスニング力と発音の向上も感じるようになりました。
そんな私の経験に基づいて、シャドーイングによる学習効果が表れるタイミング、効率的なシャドーイング方法、及びおすすめの学習教材を紹介します。
シャドーイングの効果を実感するタイミング
私の場合、半年間ほぼ毎日シャドーイングを継続したおかげで、確実に成果がありました。
実感として、3カ月以上集中して毎日シャドーイングを続ければ英語力は向上します。主観的ではありますが、私が成長を実感したタイミングとその内容について以下にまとめます。
開始2ヵ月後:シャドーイング力の向上を実感
同じ教材を使用し、シャドーイング開始直後の録音音声と2カ月後の録音音声を比較してみたところ、別次元ともいえるぐらい明瞭な改善が見られました。
開始3カ月後:スピーキング力の向上を実感
私がオンライン英会話レッスンで英語を話している様子を見た妻から、「以前よりもかなり自然な英語に聞こえる。ジャパニーズ感が抜けてきた」と言われ、発音が上手になりスピーキング力も向上していたことに気付きました。
開始6カ月後:リスニング力の向上を実感
初見の英語映画の理解力が増していることに気付くとともに、アメリカ人と会話する際に聞き返したり、知ったかぶりをしたりする頻度が減少したと感じるようになり、リスニング力の向上を実感しました。
私が実際に行っているおすすめのシャドーイング方法
私がシャドーイングをする際の具体的な学習方法についてですが、最低でも3回は最初にテキストを見ずにシャドーイングをしています。
私の場合、最初からテキストをみてしまうと、どうしてもシャドーイング時に文章を読んでしまい、発音が不自然になる傾向があったので、それを避けるために最初はテキストを見ないことに決めました。
その後どうしても音を聞き取れない部分について、集中的に繰り返し聞き、時には再生速度を落とし、何を言っているか理解できなくてもある程度は似たような発音ができるまで頑張ります。
それが終わったら、次はテキストをみながら3回ほどシャドーイングを行い内容や話されている単語を理解します。
そして最終的には、テキストを見ずに淀みなくシャドーイングできるまでひたすら練習を繰り返す(最低でも4回)、ということをやっています。
また、このシャドーイングにおいて自分の音声を録音するとより効果的(※時々でOK)です。
私の場合、自分では上手に喋っているつもりでも、いざ音声を聴いてみると「恥ずかしくなるぐらいのジャパニーズアクセント!」ということが頻繁に起こっていたのですが、自分のイメージと現実の発音のギャップを認識し、それを改善する為の手法として録音は非常に有効と感じています。
私は録音音声を聞いていたおかげもあってか、発音の改善も感じました。
以上に述べたように、私はシャドーイングをする際には少なくとも毎回10回程度は一つの音声を聞いています。
1音声の長さが大体1~3分未満の教材を選んでいますので、シャドーイングの練習時間としては1日20~45分ぐらいだと思います。
なお、一晩経つと覚えた内容を色々忘れてしまうので、少しでも記憶を定着させる為に、翌日、復習のシャドーイングを1~2回程度すると良いでしょう。
①1~3分未満の教材を選択
②テキストをみながら3回ほどシャドーイングを行い内容や話されている単語を理解
③どうしても音を聞き取れない部分について、集中的に繰り返し聞く
④テキストをみながら3回ほどシャドーイング
⑤テキストを見ずに淀みなくシャドーイングできるまでひたすら練習を繰り返す(最低でも4回)
⑥翌日、1~2回は復習のシャドーイングをする
シャドーイング用のオススメ教材
私がシャドーイングを始めた当初は、Podcastや字幕つきの英語ニュース(ABCニュースやVOAニュース)を教材として試してみましたが、私には合わないと思ったので止めました。
私が英会話レッスンを受けている【Cambly(キャンブリー)】の先生曰く、「ニュース系の音声は日常使う表現よりも、お堅く、難しい表現になることが多いので、あまりシャドーイング教材としておすすめしない」と言っていたので、いずれにせよ教材としては向いていなかったのかもしれません。
色々と教材を試してみたところ、私にとっては以下3つの教材が続けやすかったです(※3つ合わせれば少なくとも半年分の教材になります)。
「English The American Way」
1つ目は「English The American Way」という、第二外国語(ESL, English as a second language)として英語を勉強する人用の教科書です。
世界中で人気の教科書なので、ESL learnerにとっては定番ともいえる教科書です。
この教科書ではアメリカの日常会話でよく使われるフレーズ・表現について、1セッション30~60秒程度の会話音源を聞きながら学ぶことができるので、とても実用的な内容となっています。
会話のオーディオファイルは全部で54つあります(音源は付属のCD以外にも、インターネットからダウンロードもできます)。
シャドーイングをする音源が長すぎると集中力が続かず、繰り返し練習もしづらいので、この30~60秒という長さが私にとってはとても丁度良かったです。
シャドーイング初心者にこそ是非おすすめしたい教材です。
アメリカの教科書ですがオンラインで購入できます。
「eステーション(Eステ)」
このサービスは英会話オンラインスクール【ネイティブキャンプ】(Native camp)内の自習用コンテンツ(読む・聞くコンテンツ)として、コスモピア株式会社eステーションによって提供されているオンライン上のサービスです。
シャドーイングの練習をする上で必要な機能が全て搭載されているので、シャドーイング教材で悩んでいる全ての方に是非一度試して欲しい最もおススメの教材です。
このeステにある機能のうち、何がとりわけ素晴らしいかと言いますと、①ワンクリックで1秒早送り/巻き戻しができる、②音声の速度を7段階で変更可能、というこれら2つの機能が素晴らしいです。また、教材の豊富さも魅力です。以下にこれらEステのメリットの詳細について整理します。
①ワンクリックで1秒早送り/巻き戻しできる:
シャドーイングをしていると、必ず1秒にも満たない聞き取れないフレーズや舌が上手く回らないフレーズというのが出てきますが、そんな時にこの機能があると非常に助かります。
パソコン上で「←」ボタンを押すと一秒戻り、「→」ボタンを押すと一秒進むので、苦手な箇所だけを集中して何度も繰り返し練習できるので学習効率が上がります。
5秒戻しや10秒戻しの機能は他の教材でも見たことありますが、この1秒戻し機能はこのEステ以外で見たことがありません。
②音声の速度を7段階で変更可能:
またEステでは音声の速度を0.5倍速、0.75倍速、1倍速、1.25倍速、1.5倍速、1.75倍速、2.0倍速の7段階で変更可能です。
中級・上級者向きのリスニング教材では音の脱落(リダクション)や音の接続(リンキング)が頻繁に出てくるのですが、ネイティブのスピードに加えてそんなことトリッキーな発音が起こると、頭の処理が追いつかずシャドーイングもままなりません。
そんな時は0.5倍速にすれば、なんとかシャドーイングが出来るようになりますので、繰り返し練習することでやがては1倍速でもシャドーイングができるようになります。
③レベル別、ジャンル別に選べる豊富な学習教材:
教材レベルは6段階に分かれており、ジャンルの例としては、「スピーチ」、「会話」、「文法」など様々です。
2020年5月初旬時点で、全部で2283件の学習教材がありますので、自身のレベルや目的に合わない教材を差し引いたとしてもやりきれないぐらいの教材数があります。
勿論、全教材で英語のtranscriptionと日本語訳が利用可能です。
本サービスは、Eステのウェブサイトから月額500円で直接登録することも可能ですが、ネイティブキャンプに登録すれば実質無料でEステを利用できるので、こちらの方が断然お得だと思います。
ただし、実はこのEステには結構不満な点もあります。
正直な話、「よくもまぁ、こんなに使い勝手の悪いサイトを作れるな」と逆に感心してしまうぐらいEステのウェブサイトのインターフェースには改善の余地がありますので、Eステに直接登録すると損した気分になると思います。
そういう意味でも、ネイティブキャンプに登録して実質ゼロ円にした方が精神的にも健全だと思います。
ネイティブキャンプは月額約6,480円で毎日レッスン受け放題となっていますので、それを最大限利用して毎日オンラインレッスンでアウトプットの練習をしつつ、Eステで毎日シャドーイングをすれば、3カ月程度でかなり英語のスピーキング力とリスニング力が向上すると思います(私はこれのおかげでTOEIC950点とれたと思っています)。
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「Ello」
3つ目は「Ello」というWebサイトです。
このサイトでは、無料で非常に多数のネイティブの会話音源が利用できます。
大体一つのトピックが3~4分程度の会話になっているので、毎日シャドーイングするにはややボリュームが多めですが、音源が充実しているので勉強用のWebサイトとしては非常に素晴らしいと思います。
英語レベルに応じて聞くコンテンツを選べる上、Transcriptionもあります。
また、様々な国籍のスピーカーがいるので、勉強したいアクセントの国出身の人が話しているコンテンツを聞くことで、その国のアクセントに慣れることもできます。
ただし、音質は市販の英語参考書に付属のCDと比べるとやや劣ります。
YouTubeにも結構良いシャドーイング教材がある
補足情報として、YouTubeにも結構良いシャドーイング教材がありました。
例えば以下の「NARIKIRI English with Movies」さんの動画チャンネルでは、映画「プラダを着た悪魔」の全編を24回に分けて、シャドーイング用教材として編集された動画が閲覧できます。
https://youtu.be/LRLiXtvP12o
日本語・英語字幕、スロー再生、単語・熟語の解説など、結構丁寧な作りとなっているので、非常に良い学習教材だと思います。
調べてみると他にも色々良い動画がありますので、是非ご自身でも探してみてください。