多彩な表情と壮大なスケール!鳳凰三山日帰り縦走登山(広河原⇒夜叉神峠駐車場)コースタイム実績:8時間

基本データ(山域、標高、コースタイム)

山域:南アルプス北部
場所:山梨県
標高:2764m(地蔵岳)、2841m(観音岳)、2780m(薬師岳)
登山口の標高:1529m(広河原バス停)、1380m(夜叉神峠駐車場)
コースタイム実績:7時間51分{広河原バス停(7:14)⇒白鳳峠への登山口(7:25)⇒ハイマツ帯の下限(8:37)⇒白鳳峠(9:10)⇒高嶺(10:05)⇒赤抜沢の頭(10:37)⇒鳳凰小屋分岐(11:14)⇒観音岳(11:35)⇒薬師岳(11:59)⇒薬師岳小屋(12:02)⇒南御室小屋(12:38)⇒苺平分岐(13:03)⇒杖立峠(13:54)⇒夜叉神峠小屋(14:33)⇒夜叉神峠駐車場(15:05)}

 

登山の記録詳細

甲府駅から広河原まで

8月のお盆の時期後半の金曜日、21時45分東京駅発の特急電車「かいじ」に乗り、甲府駅へ。甲府駅には23時41分に到着。

バスの時間まで駅前の24時間営業のカラオケ店で仮眠をとることも考えたが、結局駅から徒歩15分ほどのところにある格安ビジネスホテル「フリースタイル」に宿泊。歓楽街の近くの薄暗い場所にあるホテルだったので、ちょっと治安が悪そうでドキドキしたが、たったの4000円でぐっすりと質の高い睡眠をとることができたので、登山に向けて万全のコンディションを整えることが出来たので良かった!

4時35分発、広河原行きのバスに乗る為に4時頃ホテルをチェックアウト。

発車15分前の4時20分頃、甲府駅南口1番バス乗り場に着いたところ、人の数にビックリ!おそらく150人程度は並んでいた

山梨交通の人いわく、例年の利用者数を考慮してバスの台数を決めているとのことで、この日は3台のバスが4時25分頃にやってきた。

私は列の最後尾の方にいたこともありバスに乗れるかどうか不安だったが、山梨交通の人がタクシーに乗る人を募ってくれていたこともあり、最終的には20~30人ぐらいがタクシーの方に流れた為、それ以外の人は全員無事バスに乗ることができた。

ちなみに、他の車両がどうなっていたかは知らないが、私の乗った車両では座席に座れなかった人は全員通路の地べたに座ることができた。

バスは出発後、竜王駅にも停車し、ここからは2人の登山者が乗車。

既にほぼ満車状態だったこともあり、3台のうちのどの車両に乗るかちょっとゴタゴタしていたし、最悪の場合乗れない可能性もあるので、竜王駅から乗るのはあまり得策ではないと思われる
その後5時40分頃、芦安駐車場のバス停に到着。ここからもバスに乗車する人も結構いて、バスはさらに窮屈になった。

そして時刻表から10分ほど遅れ、6時頃に夜叉神峠登山口バス停に到着。ここから広河原までの道は狭い曲がりくねった道になるので、マイカー規制がされている。

途中タクシーやバスと何度もすれ違い、その度に道を譲り合っていた為、広河原には予定より30分ほど遅い7時頃に到着した。

バス停前にある綺麗なインフォメーションセンターでトイレを済ませ、7時14分いよいよ出発!

北岳登山者と同じ方向に歩き出し、ゲートを通過。北岳登山者はゲートのすぐ先にある橋を渡るが、私は道路に沿ってひたすら直進した。

7時25分、登山口に到着。あまりにも地味で分かりづらいので、実は一瞬通り過ぎてしまった。

ここからいよいよ登山開始!

広河原から白鳳峠まで

写真では全く伝わらないが、ここの上り坂は非常にきつかった。心臓がいまにもはちきれそうなくらいバクンバクンと激しく脈打っていて、「このコースを選んだのは失敗だった!」と途中、何度も後悔した。

ただ、そんな地獄のような苦しみも登山口から40分ほど歩くと一段落。急勾配から等高線にほぼ平行な平坦な道に変わるので、ここで呼吸を整えることができた。

なだらかな道を5分ほど歩くと、心もとない木造の橋が現れた。ここから先、再び登りが始まる。

長い鉄のはしごを登る場所もあったが、正直、最初の40分に比べると、大分優しい道だった。

そして、急斜面を登り始めてから1時間10分ほどでついに樹林帯を抜け、見晴らしの良いハイマツ帯に出た。とっても良い景色!元気が出た。

その後もゴツゴツした岩場を歩き続け、、、

9時10分、白鳳峠に到着!なんと登山開始からわずか1時間45分!想定よりもだいぶ早いペースだったので自分でもびっくり。

白鳳峠から観音岳まで

白鳳峠から先は稜線歩きとなるので、景色が非常に素晴らしかった!振り返ると、目の前には北岳や甲斐駒ケ岳がドーンとそびえ立ち、遠くには甲府盆地やその先の茅ヶ岳もはっきりと見ることができた

途中、もはやロッククライミングと言ってもよさそうな岩場をよじ登り、、、

10時5分、高嶺に到着。地蔵岳のオベリスクや薬師岳だけでなく、遠くに富士山まで見ることができた。

10時37分、赤抜沢の頭に到着。ここから見えるオベリスクがカッコよかった。

次に目指すは薬師岳!途中、風化した花崗岩から作られた美しい真砂(まさ)のビーチ風な道を歩き、

11時35分、ついに鳳凰三山の最高峰である観音岳に到着!

北岳、間ノ岳、甲斐駒ケ岳はもちろんのこと、遠くにはなんと(めちゃくちゃ小さいけど、、、)北アルプスの槍ヶ岳まで見ることができた。

見渡す限りの大絶景で、もう最高!鳳凰三山は何ていい山なんだ!!

観音岳~夜叉神峠まで

お次に目指すは薬師岳!富士山を眺めながら気持ちよく稜線を歩いていたら、あっという間に薬師岳に到着した。

薬師岳山頂から5分ほど下ると、薬師岳小屋に到着。水が残り少なくなってきていたので、300円で水500mlを購入した。

薬師岳小屋から先は樹林帯となる。樹林帯を40分ほど下り、12時38分に南御室小屋に到着。

南御室小屋の周りには、ヤナギランやトリカブトが群生していた。

南御室小屋から30分弱歩き、苺平に到着。

苺平から先の下り道には、ゴロゴロとした岩が転がった道が多くなる。こういう石は踏むとグラつく場合があり、油断すると捻挫をする可能性もあるので注意が必要。こういう道、嫌いだなあ。

途中、少し開けて北岳が見える場所があった。間ノ岳はすっかり雲の中。午後は天気が崩れやすいし、広河原から登って早いうちに稜線に出ておいて良かった!

杖立峠の手前10分ぐらいからは、ゴロゴロした岩道から歩きやすい土の道に変わった。捻挫しなくて良かった良かった。そして13時54分、杖立峠に到着。

写真では全く伝わらないが、杖立峠から夜叉神峠までの道の途中から、坂道は大分急になってくる。足に疲れが大分溜まってきていたこともあり、結構きつかった。

そして14時33分、夜叉神峠小屋に到着。この時間になると、もう北岳もすっかり雲に覆われてしまっていた。

そして15時5分、ついに夜叉神峠駐車場まで下山!

その後は15時41分、夜叉神峠駐車場発のバスに乗り、甲府駅まで戻った。かなり疲れたけど、天気に恵まれ、綺麗な景色をたくさん見ることが出来たので楽しかったー!

総評:ややロングコースだが、飽きの来ない魅力たっぷりで最高のコース

今回初めて鳳凰三山を歩いたが、岩登りあり、ハシゴあり、白いビーチあり、南アルプスの大絶景あり、と全く飽きのこない魅力たっぷりのコースだったのでとても楽しい登山だった。甲府からのアクセスも良いので、今後何度も登りたいと思う。

山今回歩いたコースの標準コースタイムが12時間ぐらいだったので、登り始める前は「ちょっと厳しいかな?」とも思っていたけど、蓋を開けてみればコースタイムは7時間50分で、かなり時間に余裕をもって下りてくることができた。ちょっと体力のある人ならば、十分日帰り縦走できると思われる。

ただし、もし地蔵岳近くの赤抜沢の頭に11時までに到着できなかった場合には、縦走は諦め、青木鉱泉に下りるか、広河原まで下りた方が無難かもしれない。
また、おそらく鳳凰三山を登るにあたり、夜叉神峠から入るのが最もポピュラーなルートかと思われるが、このルートだと景色の良い稜線に出るまでに大分時間がかかってしまうし、稜線に出た頃に北岳、甲斐駒ケ岳、富士山などに雲がかかってしまう可能性もちょっと高いのかもしれない。

その点、広河原から入るルートならば、最初の2時間頑張ればすぐに稜線に出られるので、良い景色を見られる可能性は夜叉神峠から入るルートより高いかもしれない。

山頂で一泊するならば、あまり上記のことを気にする必要はないかもしれないが、個人的には広河原ルートは非常に良かったので、日帰り縦走者には是非お勧めしたい。