釧路観光の穴場スポットとして、是非おすすめしたい場所がこの「旧太平洋炭礦炭鉱展示館」。
公式ホームページがない為に行くまで詳細が分からなかったが、実際に行ってみると期待を大きく上回るほど素晴らしい魅力に溢れた場所であった。
釧路観光の定番といえば、和商市場の勝手丼、釧路湿原、国際ツルセンター、阿寒湖といったところだが、この旧太平洋炭礦炭鉱展示館はそれらと比べても全く遜色がなく、むしろ釧路の歴史を学ぶことができるという点においては本当に最高の場所であった。
主な見どころを以下にまとめる。
アクセス:車かタクシー推奨。駅から徒歩は厳しい
旧太平洋炭礦炭鉱展示館は釧路空港から車で約35分、釧路駅から車で約15分の場所にある。
歩きで行く場合は、東釧路駅からでも約50分かかってしまう。もし車がない場合は、釧路駅または東釧路駅からタクシーを利用した方が良いかもしれない。
また、この展示館は「青雲台斎場」や「青雲台体育館」に隣接している。展示館はプレハブ小屋のようにとても小さいので、カーナビで目的地を設定する際には、「青雲台体育館」を目的地にした方が分かりやすいと思われる。
展示内容:日本一の大塊炭、ジオラマ、模擬坑道、実際に使われた重機など
建物の中に入って最初に現れるのが、この「日本一の大塊炭」。重さ6トンもあるとのことで、めちゃくちゃ大きい。やたら光沢があったが、風化しないようにニスを塗っているとのことであった。
大塊炭を通った後、写真右側から展示スペースに入り、ここで入館料300円を支払う。ここには元炭鉱マンの人がいるので、時間があればガイドをしてもらって各種展示について丁寧な解説をしてもらうことができる。
入口のすぐ横にビデオコーナーがあり、釧路炭田の開発の歴史について映像と共に学ぶことができる。元炭鉱マンの人がテレビ放送を自分で録画したビデオだったけど、とても分かりやすくまとまっていてとてもおもしろかった。何種類かビデオがあるとのことだったので、是非今度は他のビデオを見てみたい。
国内で唯一の海底まで続く「坑内掘り炭鉱」である釧路炭田の春採坑がどのような作りになっているのか、その全容を坑内模型で知ることができる。
石炭の鉱山といえば、ツルハシを持って地道に鉱山を切り崩していくものというイメージをもっていたが、実際は非常にシステマティックで、最先端技術や大型の機械を駆使していたことを知り驚いた。
炭鉱マンの装備に関する展示もあった。
化石や岩石の展示もあった。断層運動による岩石の擦り傷「擦痕」自体は珍しいものではないが、ここでは滑り面に沿って黄鉄鉱が擦り付けられており、これには興味を惹かれた。
他にも色々とあった。
そしていよいよ地下へ!この階段の下には実際の坑道を再現した「模擬坑道」が広がっている。
地下は思っていた以上に広かった。
実際に使われていた数々の重機が展示してあり、実際の炭鉱開発の臨場感を体験することができて非常におもしろかった!
ちなみに展示館の外から海の方に目をやると、火力発電所が建設中であった。完成後はこの鉱山から採取された石炭とバイオマスを使って発電するとのことであった。
まとめ:ワクワク感がとまらない、定番観光スポットになるべき最高の場所
正直、実際に行くまでは大して期待していなかったが、一度足を踏み入れてからはワクワク感が止まらなかった。
展示の一つ一つが好奇心そそられるものであったが、何よりも驚いたのは、地上の小屋よりも遥かに広い地下の模擬坑道であった。
そして展示の面白さもさることながら、炭鉱だけでなく釧路の発展の歴史を学ぶことが出来るこの炭鉱展示館は文化・教育の観点でも非常に価値が高いと思われる。
不思議なことに、釧路の有名観光スポットをまとめたウェブサイトや観光ガイドを見てみると、「定番から穴場まで」と謳っているにも関わらず、この炭鉱展示館が含まれていない場合が結構あるが、個人的には釧路のベスト観光地5選に入るぐらいお気に入りの場所となった。